2021年2月25日  木曜日

快晴  10℃/-2℃

~本日のスケジュール~

出荷(小売、給食)、ネギ収穫調整、コマツナ収穫調整

市場価格

 先日までの高温からこの数日の寒の戻りで身体に応える日々が続いています。農業は外作業がメインであるため、天候の変化が体調に直結しがち。小さな変化を見逃さず、小まめに体調管理をすることも農業を仕事にするために必要な能力です。

 

 「今年はネギが高騰しています。産地でも出来が良くなかったようで、新聞での市場価格、スーパーでの店頭価格ともに値上がっています。」

 歴史上これまでの年の市場価格の高騰であれば上記の通りでした。しかし今年はどうやら別の事情で価格の変化に繋がっているようです。

 これまで日本のネギの総需要に対して、半分は輸入ネギが満たしていると言われていました。しかしコロナ禍になり世界的な巣ごもり需要が増加し、メインの輸入先であった中国からの輸入量が低下、これまで外国産を使用していた中食外食業者が国産ネギの使用に切り替えているそうです。

 中外食での国産ネギ需要の増加により結果的に市場に出回るネギの量が減り、価格の高騰につながっている。「高値で売れるから農家にとっては良い」これも短絡的に喜んではいられない問題です。長期的に現在の状況が続くとなった場合、ネギの使用を減らし玉ねぎ等に代替していくネギ離れが起こらないとも限りません。これからの農家には、一層社会を見渡す目が必要になってきているといえます。

 

 

 「農業は毎年同じことをしている」。農業を始める前にはこんなイメージを持っていました。

 しかし、毎年天候は違うし、毎年同じ畑で同じ野菜を作ること(連作)はありません。連作は、畑の土の栄養素に偏りが出てくることから品質の低下につながるからです。そのため、毎年「この畑でこの野菜を作るための土づくり」を1から行うことが大切で、土づくりを怠るとこれもまた品質の低下につながります。

 上記のような難しく手間がかかることを当り前にこなすことが出来ているのが大産地です。しかし、そんな産地であっても今年のような不作の年があるため、やはり農業は難しい。

 逆に豊作だった場合、農業には「豊作貧乏」という言葉があります。自分が豊作の時は周りも豊作であるため、市場にその野菜が余り、金額が安くなってしまうことを言います。

 難しい年は高く売れるけど、量が多く作れない。良く出来た年は出荷できるものは沢山あるけど、安くて作業性が悪い。これまで農業がぶつかってきた金額の壁はこの市場価格に左右される仕組みによるものです。

 技術があって良いものが作れるから沢山売れるというわけではない、しかし技術がなければ信頼を得、求められることはない、というところに、仕事としての難しさと妙があるように思います。


2021年2月24日  水曜日

快晴  10℃/0℃

~本日のスケジュール~

出荷(給食、小売、加工)、ネギ収穫調整、ネギ苗管理作業、コマツナ管理作業、土壌作り(肥料撒き、耕耘)、地域農家と卸売業者訪問

農業を知ってもらうこと

 一昨年より定期的なSNS、HPの更新や、給食業者様・栄養士様向けのチラシ配布、中学生高校生のインターンの受け入れや地域からの新卒採用などを通して、地域や社会との接点を増やすことに注力し、農業・東京農業を知ってもらおうと活動してまいりました。

 特に当園では代表近藤剛の就農以来15年間、地域給食への出荷に取り組んでおります。羽村市・瑞穂町給食センターへの出荷から始まった給食の取組も、今では八王子市、町田市、府中市、23区など合計で100校以上、5万人以上の子供たちに毎週野菜を食べてもらっています。

 地元東京産野菜としての給食への出荷量増加に伴い、地元の小売店だけでなく都内SEIYU各店舗での地元野菜コーナーへの出荷や、コマツナ、サツマイモ、ネギの生産量増加、施設拡大、地域若手農家との技能研修などにも取り組んでまいりました。

 今後も地域との取り組みを増やし、より多くの都民の皆様に地元東京野菜を食してもらうために今自分たちに何が出来るか、を考えた結果、新年度からまた新たな取り組みとして食育体験事業を企画しています。

 

 農業には土づくり、種まきから収穫、出荷までの中に、沢山の工程、技術、作業があり、一つでも欠けてしまうと良い野菜は生産できません。

 

 給食に長年取り組んできた当園だからこそ、そして小売店や加工食品用出荷によって食卓を支えてきた当園だからこそ出来る全世代向けの食育体験を目指しています。


2021年2月22日  月曜日

快晴  22℃/6℃

~本日のスケジュール~

出荷(給食、小売、加工)、コマツナ収穫調整、ネギ収穫調整、畑管理作業(施肥、耕耘)、外部打ち合わせ

新しい食育

 近藤ファームでは長年にわたって東京都内の給食に野菜を出荷してきました。地元である羽村市瑞穂町への出荷から始まり、八王子市、府中市、町田市、23区等、季節や需要に応じて生産量を増加しより多くの子供たちに届けられるように取り組んでまいりました。

 これまで給食業者の皆様や、現場栄養士の皆様向けに生産現場からのチラシをお届けする等、地元東京野菜についての情報をお届けすべく奮闘してまいりましたが、今年はもっと多くの都民の皆様と「食育」を通して関わっていきたいと考え、新たな取り組みを開始いたします。

 HIS社の「旅する野菜」企画との連動で「新しい食育教材」と題し、新年度からの取組を発表させていただきます。

 

 「食育」は子どもたちだけに必要な物ではありません。親元を独立しいずれは子育てをすることになる青年期、仕事が忙しい壮年期、そして大切な家族とともに長く健康に生きていくために、全ての世代にとって身近で大切な課題です。

 日本で一番農地の少ない東京の農家から、いずれ日本全国で食育への取組が盛り上がっていくことを祈って取り組んでまいります。